2023.12.05
おしゃれな平屋の屋根は「形状・素材・勾配・軒」がポイント|テイスト別の実例も
屋根は家を守る大切な役目を果たすと同時に、家の外観を大きく左右する要素のひとつでもあります。
とりわけ平屋においては建物の高さが低い分、屋根の存在感が増します。
今回はおしゃれな平屋にするために知っておきたい屋根選びの4つのポイントをご紹介するとともに、弊社『アートワークホーム』が施工した実例を用いながら、テイスト別におすすめな屋根について解説していきます。
このコラムのポイント |
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目次
平屋の屋根選びでおさえたい4つのポイント
平屋は階段がなくバリアフリーである点や生活動線が便利な点、屋外との距離が近い点などの機能面からも近年人気です。
しかしともすると、味気ない雰囲気になったり、なんだか寂しい雰囲気になってしまいがちです。
平屋をおしゃれにする要素はさまざまありますが、その中でも「屋根」は意外と見落としがちな部分でもあります。
おしゃれな平屋にするための屋根選びでは、次の4つのポイントに注目してください。
- 1.形状
- 2.素材
- 3.勾配
- 4.軒
屋根の形状や素材にはいくつか種類があるため、選ぶ形状や素材によって雰囲気も大きく変わります。
また、勾配(傾き)の大きさや軒の有無、長さによっても印象が変わります。
では次項より各ポイントを深掘りしていきます。
【形状】平屋の屋根によく使われる形状は4種類
戸建住宅の屋根形状には約12種類があり、その中でも平屋の屋根によく使われるのは次の4つです。
- ①切妻屋根(きりづまやね)
- ②寄棟屋根(よせむねやね)
- ③片流れ屋根(かたながれやね)
- ④陸屋根(ろくやね・りくやね)
①切妻屋根
切妻屋根とは2面の屋根面で構成される、三角形の屋根のことです。
棟(屋根の頂上部)から2つの下方向へ向けて傾斜が付けられています。
切妻屋根は日本でも伝統建築物などに古くから用いられている屋根ですが、和風・洋風、平屋・2階建てを問わず用いられるスタンダードな屋根として定着しており、汎用性が高く多くの住宅に取り入れられています。
勾配次第で印象をベーシックにも可愛くにもかっこよくにも変えることができ、屋根の勾配によってはロフトや屋根裏部屋などもつくれます。
切妻屋根はシンプルな形状で施工性が高いためコストが抑えられ、雨漏りリスクも発生しにくいというメリットがあります。
また、1面が大きいため太陽光パネルの設置にも向いている屋根形状です。
一方で、妻(正面から見て両端の部分)側には軒がほぼないため、その側は日差しによる日焼けや風雨による劣化があらわれやすいという注意点があります。
屋根面を東西に向けて設置すると、日差しからの影響を軽減できます。
②寄棟屋根
寄棟屋根とは4面の屋根面で構成される、棟から4方向へ向けて傾斜が付けられている屋根です。
切妻屋根と同様に日本の伝統建築物などでも用いられつつも、和風・洋風、平屋・2階建てを問わず用いられるスタンダードな屋根です。
寄棟屋根は特に安定感や高級感のある雰囲気を出したい場合にもよく用いられています。
また、4面に屋根面があるため家を日差しや風雨から守りやすく、切妻屋根よりも頑丈です。
雨や風が4面に分散されるため風雨にも強いですが、棟や継ぎ目が増える点で雨漏りリスクは切妻屋根よりも高くなります。
形状の特性上ロフトや屋根裏部屋の設置は難しく、太陽光パネルを設置する場合はスペースが限られてしまうという側面もあります。
③片流れ屋根
片流れ屋根は1面の屋根面で構成され、大きな一枚の屋根が一方向に向にむけて傾斜が付けられている屋根です。
モダンでスタイリッシュな雰囲気を出すことができ、平屋・2階建てを問わず人気があります。
シンプルな形状のため雨漏りリスクが低く、施工性も高いためコスト面でも優れています。
片流れ屋根は片側に高さが出るという形状上、ロフトや屋根裏部屋の設置に向いており、屋根面の方角によっては太陽光パネルにとても適しています。
反面、片側の壁面が日差しや風にを受けやすくなるため、経年劣化があらわれやすいという注意点があります。
④陸屋根
陸屋根は傾斜のない平らな屋根のことで、フラット屋根とも呼ばれます。
4つの中で最も装飾性がなくシンプルでスタイリッシュな印象の屋根で、平屋・2階建てを問わず用いられています。
陸屋根では瓦などの屋根材は防水工事によって仕上げるため、設計によっては屋上を設けることも可能となり、都心部などでは屋上庭園やテラスとして人気があります。
屋根面を気にせずにパネルの向きを変えられるので、太陽光パネルの設置にも向いています。
一方で、陸屋根には傾斜がないため雨水が貯まりやすいという特徴があり、雨漏りリスクを低減するため排水への工夫が必要です。
また、構造上太陽光からの熱が室内に伝わりやすいため、断熱・遮熱の面で工夫をしておくと、居住性が高くなります。
【素材】平屋の屋根によく使われる素材は3種類
続いて平屋の屋根によく用いられる屋根素材をご紹介します。
平屋の屋根では次の3種類が主に使われています。
- ①瓦
- ②スレート
- ③ガルバリウム鋼板
①瓦
瓦は古くから日本でも用いられている、なじみの深い屋根素材ですね。
和瓦と洋瓦に大きく分類され、歴史的建造物や和風建築だけでなく、洋風の家でも用いられています。
- 和瓦:緩やかなカーブを描いた形。グレーなどの無彩色が多い。和の趣が感じられる重厚感のある雰囲気。
- 洋瓦:丸みを帯びたりフラットであったりと形にバリエーションがある。オレンジなどの暖色系が多い。可愛らしく温かみのある雰囲気。
粘土を材料として焼き上げたものが代表的で、ほかにセメントを材料としたセメント瓦や、金属でつくられた金属瓦もあります。
瓦の最大のメリットは、丈夫で耐用年数が長いという点です。
一方で、初期費用が高い点や屋根が重くなる点がデメリットと言えます。
平屋は耐震性の面で優れているということもあり、瓦が用いられるケースも意外とあります。
瓦ならではの風合いを活かして、重みのある和風の平屋や、南仏系やスパニッシュ系など異国情緒あふれる平屋によく合います。
②スレート
スレート屋根は軽量でデザイン性が高く、コストパフォーマンスもよいため、近年多くの住宅で使われている屋根素材です。
スレート屋根は材料によって次の2つに大きく分けられます。
- 天然スレート:粘板岩を薄くスライスしたもの
- 化粧スレート(コロニアル・カラーベスト):セメントや繊維素材を薄い板状に伸ばしたもの
現在、一般の住宅で多く用いられているスレートは化粧スレートで、メーカーによってコロニアルやカラーベストと呼ばれています。
天然スレートは高級感がありますが、重量があり価格も高いため一般の住宅ではほぼ使用されていません。
なお、天然スレートが用いられている例としては、東京駅の丸の内駅舎の屋根が挙げられます。
化粧スレートはお伝えした通り軽量でデザインやカラーバリエーションに富んでおり、コストも比較的抑えられるというメリットがあります。
一方で、経年とともに防水性などが劣化するため、定期的に戸層などをする必要があります。
瓦と比較してモダンな印象を出しつつクール過ぎない雰囲気となるため、平屋の住宅でもよく用いられます。
③ガルバリウム鋼板
最近はガルバリウム鋼板の屋根も増えています。
ガルバリウム鋼板と鉄板にアルミニウムや亜鉛などをメッキした金属合板のことで、屋根だけでなくおしゃれな外壁素材としても人気が高まっています。
ガルバリウム鋼板は耐久性・耐火性に優れており、なおかつ軽量でカラーバリエーションやデザインも豊富というメリットがあります。
注意点としては、防音性がにやや劣る点や落下物などによって傷が生じる可能性がある点、また、海沿いの地域では劣化が進みやすい点が挙げられます。
平屋にもガルバリウム鋼板を用いることでクールさモダンさが加わり、洗練されたおしゃれな雰囲気になります。
【勾配】平屋の屋根では勾配もポイント
勾配とは屋根の傾斜の角度のことで、屋根の形状・素材・気候、そして外観デザインを考慮して決められるのが一般的です。
くり返しになりますが、平屋は2階建て以上の住宅と比較して建物の高さが低く屋根が目に入りやすいため、屋根が外観のポイントになりやすいです。
したがって屋根の形状や素材だけでなく勾配もポイントになり、とりわけ切妻屋根や片流れ屋根においては、勾配の緩急で印象が大きく変わります。
屋根の勾配は基本的に次の3つに分けられます。
- 急勾配:6寸勾配以上
- 並勾配:3寸~5寸程度
- 緩勾配:3寸勾配以下
外観で見た場合、勾配が急であるほどでデザイン性が高く、緩やかになるほど屋根を目立たせない印象となります。
もちろん勾配を急にしてデザイン性が高くすればよいという訳ではなく、外観の中でどれくらい屋根をポイントとするか、逆に悪目立ちしないようにするかなどを考慮して決めるとよいでしょう。
【軒】軒も外観を左右する
勾配と同様、意外と見落としがちなのが軒です。
- まずは軒があるかないか。
- 軒がある場合は長さが短いか長いか。
- 軒天(軒の裏側)の色や素材は何か。
こういった点で平屋の外観が大きく変わります。
最近は軒のない屋根が増えていますが、軒がない場合はモダンでスタイリッシュな印象になります。
反対に軒が長くなるにつれ、落ち着きや重厚感のある印象になり、家全体のデザインや屋根形状によっては和の雰囲気が強くなります。
軒の有無や長さをどうするかについては、屋根の形状や勾配とのバランスも考慮して決めるとよいでしょう。
軒がある場合は、軒天の色や素材でも雰囲気が変わります。
軒天は外壁と色を揃えたり、全く異なる色や素材にすることができます。
たとえば白などのライトカラーにすると、爽やかで明るい印象に。
反対に黒などのダークカラーにすると、スタイリッシュで落ち着いた印象に。
いずれも外壁の色とのバランスが大切です。
最近人気が高まっているのが、木目の軒天です。
木目はどんな色味の外壁にも合いやすく、外観をぐっとおしゃれにしてくれるので多くの住宅に採用されています。
>>>関連コラム 軒のある家|おしゃれでモダンにするコツを実例とともに解説|メリット・デメリットも
平屋をおしゃれにする屋根の選び方|テイスト別
では実際に建てられたおしゃれな平屋の実例とともに、テイスト別に屋根をみていきましょう。
シンプルモダンでおしゃれな平屋の屋根
全体的にフラットな外観がおしゃれなシンプルモダンの平屋。
屋根の勾配は緩く、家の雰囲気とマッチしたカラーのガルバリウム鋼板でつくられた屋根です。
ファサードからは屋根の傾斜が見えるか見えないかくらいの印象で、排水機能を確保しつつさり気ない形状が上品です。
軒天を窓枠やその他のパーツと揃えた色味にすることで、明るくも統一感のある仕上がりとなっています。
こちらのシンプルモダンな平屋のインテリアもとっても素敵です。ぜひ下のリンクよりご覧ください。
和モダンでおしゃれな平屋の屋根
こちらは勾配がやや急な片流れ屋根が圧巻な、和モダンの平屋。
軒が眺めで、軒天の天然木が白壁に映えます。
柱やデッキとも調和しており、植栽とのコントラストも美しい外観はずっと眺めていたいほどです。
和の趣きがありながらモダンさも兼ね備えた、和風の落ち着きが個k値良いおしゃれな平屋に仕上がっています。
こちらの家の別アングルや夜の景観などは、下のリンクよりご覧ください。
洋風でおしゃれな平屋の屋根
シックな色味がどこかホッとする、カフェのような洋風の平屋。
やや急な勾配の切妻屋根が英国風なお庭とのバランスもちょうどよく、おしゃれな雰囲気をつくりだしています。
ウッドデッキに差し掛かった眺めの軒も重厚感があり、外壁と合わせた暗めカラーの軒天が、いつまでもそこに居たいような落ち着きのある居心地の良さを演出しています。
下記リンクより、外構も含めたアングルなどもご覧になれます。
>>>施工実例 広々ウッドデッキテラスと庭のあるカフェスタイルの平屋
重厚感がありつつモダンでおしゃれな平屋の屋根
こちらは店舗併設型の平屋。
寄棟屋根が横に広がりのある建物によく合っており、短めな軒がモダンな雰囲気をつくりだしています。
反対側の外壁カラーに合わせたグレーの軒天も、とってもおしゃれ。
窓の風合いともマッチしています。
おしゃれな店舗の内装などもぜひご覧ください。
まとめ
今回はおしゃれな平屋にするために知っておきたい、屋根選びの4つのポイントについてお伝えしました。
どの様な屋根にするかは、お住まいの気候や太陽光パネルの設置の有無など、機能面も考慮して選ばなければなりません。
その一方でお伝えした通り、外観を大きく左右する要素のひとつでもあります。
どの様なタイプや雰囲気が好みかよく考えて、おしゃれな平屋の家づくりを叶えてくださいね。
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家づくりは”パートナー選び”も大切です。
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